2022年9月8日~11日
4公演しかなかった東京公演ですが、初日と千穐楽拝見しました。
初演から3回目となる作品なので、あらたての感想が書きにくくて遅くなりましたが、ざっくり川柳を織り交ぜつつレポートに代えさせていただきます。
黒い影不吉な男クロクスタ
ノーラの弱みに付け込み夫ヘルメルへのとりなしを迫る畠中クロクスタのどす黒いオーラが増していて、追い詰められていくノーラが気の毒に感じるのですが…しかし冷静に考えると問題の根っこは
サイン偽造世間知らずじゃすまないよ
だと思うのです。貸した側だけ悪者扱いしてはいけません。(クロクスタ贔屓目線も入ってますが)
この作品でノーラと一緒にハラハラしてしまう観客にとって
出てこない影の主役は郵便受け
ではないでしょうか。
ヘルメルの正体見たり借用書
従順を振り捨てノーラの自我めざめ
「もしお前が危険にさらされたら、命を投げ出しておまえを守るだろう」と言っていたはずのヘルメルのあの取り乱し方は最悪でした。大切なのは自分の名誉だけ。ノーラへの愛は、自尊心を満たす「美しい飾り」に対する愛だったことがあれほどはっきり見えてしまっては、もはや関係修復は不可能です。
ここから始まるノーラの自己分析と出した結論のゆるぎなさは、毎回息を飲んで見入ってしまいました。
クロクスタ「ニルス」と呼ばれ動揺し
クロクスタ新たな幸せ元カノと
もうひとつのどんでん返しは、やはりクロクスタとリンデ夫人の「元さや」です!
1度の過ちで信用を失い、世間に「味方のいない」クロクスタにとって、まさかの逆プロポーズ。
目を潤ませて「ありがとう、ありがとう」と彼女の手を取るクロクスタからは、彼にまとわりついていた薄汚れた空気が消え、若く善良な頃の光が戻ったように見えました。
畠中さん、可愛すぎます…!
こんなクロクスタを引き出したリンデ夫人、ちょっとずるくないですか?(笑)
締めだけ短歌調で
リンデ夫人 仕事も男も手に入れて 実は一番やり手キャラでは
そして、東京公演を終えた後、「人形の家」は現在九州地区で絶賛公演中です!
(公演スケジュールは こちら)
畠中さんからクロクスタのお衣装でお写真いただきました。 ありがとうございました!
(UPが遅くなって申し訳ありません)
9月の三連休はどちらも台風が直撃する中、移動のご苦労も多かったことと思います。
カンパニーの皆様のご無事をお祈りしております!