ミュージカル「封神演義-目覚めの刻-」初日拝見しましたので簡単にご報告します。
2019年1月13日(日)
13:00開演 @EXシアター六本木
↑ちょうど畠中さんのお名前が流れているその瞬間をとらえた貴重なショットです!(会員の方が撮影したもので、サイト掲載用に使用許可をいただきました。ありがとうございました。)
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漫画(ジャンプコミックス)で23巻までですが、今回織り込まれている内容はそのうちの1巻から6巻の途中まででした。 サブタイトルに「目覚めの刻」とあるように、物語の序盤部分なわけです。
原作漫画を読んでいない方は、あらすじだけは公式ページでざっと予習しておいたほうがいいです。 登場人物が多いし、歴史の説明も色々あるので、ざっくりとでも頭に入っていると楽だと思います。
プラス、少しだけおせっかい解説をさせていただきますので、合わせてお読みください!
★人間と仙人と道士
「仙人骨」という骨を持って生まれた人間は、仙人界にスカウトされ、仙人になるべく修行を積みます。その修行中の身が「道士」です。人間とは時の流れが違うので、若く見えても実は何百年も生きています。
主人公の太公望は道士。
畠中さんの演じる聞仲も道士です。ただし、道士としての格というか強さでは圧倒的に聞仲が上です。
この物語では、仙人と道士をまとめて「仙道」(せんどう)と呼んでいます。
道士に対する敬称は「師叔」(すーす)。 丁寧な道士は、太公望を 「太公望師叔」と呼びます。
★宝貝(ぱおぺえ)
道士や仙人が持っている武器のこと。攻撃方法と機能はそれぞれ特化されているものの、その威力は強大です。
ちなみに聞仲の持つ宝貝「禁鞭」(きんべん)は数キロ四方の敵を打ち据えることができる力任せで破壊的な鞭です。 畠中さんが2幕最後にびっしばっし振り回しています。
太公望の宝貝は「打神鞭」(だしんべん)。風を操って相手を攻撃したり、逆に攻撃をかわしたりします。
★申公豹(しんこうひょう)
恰好はピエロみたいですが、実は最強の道士とも言われています。彼の宝貝は雷公鞭(らいこうべん)で、稲妻を四方に飛ばす破壊力の強いものです。
妲己の客人扱いで殷に滞在していますが、誰の味方というわけでもなく、傍観者としてあちこちをつついて楽しんでいます。この作品では彼が狂言回しとして語り部にもなっています。
★四不象(すーぷーしゃん)
カバのように見えますが、太公望に仕えるべく仙人が貸し出した霊獣です。なぜか語尾はすべて「~っす」(「逃げるっす~」みたいな)太公望のことは「ご主人」と呼びます。
★聞仲(ぶんちゅう)
仙人骨を持たない普通の人間でしたが、自ら厳しい修行を重ねるうちに仙人骨が出来、仙人界でさらに修行を積み強力な道士となった人です。(どれだけストイックなの!という…)
300年以上も前から殷の軍師として守護神のように王家に仕え、殷を守っています。(なぜか、という理由は今回の話には織り込まれていません)
殷に対して絶対的な忠誠と庇護の気持ちがあるので、皇后の妲己を悪と認めていても、「殷を守る」ことが最優先。 そのため、人間界の平和のために妲己を滅ぼし、求心力のなくなった殷王朝の代わりに新しい王を立てようとする太公望たちとは敵対していきます。
漫画を読む限り、ああ、これを舞台化するなら映像バリバリ使うんだろうな、もしかしたらフライングなんかもあるのかも?などと思っておりました。
しかし、なんと映像演出一切なし!
宝貝によるSF的な戦いの様子も、主人公を乗せて空を飛ぶ霊獣も、すべて人力です。 光や風、あらゆるものを身体で表現していくアンサンブルの皆さん、ものすごい運動量ですよ!
舞台上ではセットの段差や照明をうまく使っていろいろなシーンが多重的に進行していきます。 登場人物のビジュアルは漫画を忠実に再現しているのに、演出はあくまでも演劇的表現にこだわっている…いい意味で予想外でした。
たくさんのエピソードを盛り込みながらも非常にテンポよくまとまった脚本で、あっという間の2時間半です。
畠中さん演じる聞仲は、最初から朗々と歌声を聞かせてくださいますよ~!
1幕は出番自体はそんなに多くないのですが、登場するときは常に「カッコいい」のです。
この作品、真面目かと思えばずっこける、笑えるシーンが多い中、聞仲が出てくるとびりびりっとするような緊張が走ります。 この大物感!存在感半端ないです。
2幕は出番たっぷり!(畠中さんのファンだったら「どこを切ってもおいしい」としか言いようがありません。)
皇后妲己の策略で、共に殷王朝を守る立場にあった黄飛虎が殷を去り西岐の国に向かったことに対し、筋を通すために追っ手を差し向けます。 そして最後は自らが出陣し、主人公の太公望たちと初めて一戦交えます。
その時のすさまじい強さ!まさに最強のラスボスです!
しかももはや抵抗する力も残っていない太公望にとどめは刺さず、立ち去ります。
それは太公望たちとの闘い、つまり道士と道士の戦いで人間の住む西岐の国にも被害が及んだことに対する、彼なりの借りを返すためでした。 ただ冷酷なわけではなく、彼は常に彼なりの信義に基づきフェアに行動しているのです。
さあ、これからどうなる!というところで終わってしまうので、これはもはや続編があること前提の作品と言わざるを得ません。
そして今回観劇できない方には朗報です!
DVDの発売と、千穐楽のニコ生放送のお知らせが公式ページで発表されています。 ぜひご確認くださいね。