シャーリーの名前を聞いて取り乱すスティーブン。 17歳の時に付き合っていたシャーリーのことを14年経った今でも愛している、それがすべての元凶で、今の自分の人生をうまく生きることができないのだと泣き出すのだった。
(ここでアーティーに「テキーラをくれ!」「何ショット?」「ファイブだ!」というヤケ酒注文があり、アーティーは「いーち、にーい、さーん、しーい、ごーお」と1ショットずつ声を出して数えながらグラスに注ぎます。これがこの後の笑いにつながっていく一つの仕掛けです。)
ヴィニーは、最近自殺未遂を繰り返していて精神状態が不安定なロニーが来る前になんとかスティーブンに泣き止んでもらおうとするが無理。 そうこうするうちに陰気な様子で店に入ってきたロニーは、スティーブンの隣に座ると一緒に泣き出す。(カウンターに突っ伏して泣く二人の男、どうしようかとうろたえているヴィニー、目の前の2人に無関心で新聞を読み続けるアーティー…するとレンジがチン!と鳴り、アーティーは泣いている二人の横にサンドイッチを置くと、「マスタード、いる?」。間が絶妙でした!)
サンドイッチを食べているうちにようやく「やあ、久しぶり」などと会話ができるようになると、「スティーブンと同じものを」、とアーティーにお酒を注文するロニー。
「テキーラ5ショットだぞ?」と驚くアーティーに、ロニーは自分の分とアーティーの追加をオーダー。(ヴィニーが「そんな強い酒はやめたほうがいい」とロニーに注意しているのに、注文を受けたアーティーは当然ながらテキーラを準備。「いーち、にーい、さーん」と数えながらグラスに注ぎます。イラついたヴィニーに「アーティー、今は声を出さないで数えてくれ!」と文句を言われるのですが、この時アーティーは「わかった」と言いながらも、*数えるのを中断されたためにショットの数がわからなくなったらしく斜め上に目を泳がせ、おじいちゃんの困り顔。ここで会場にクスクス笑いが広がり、アーティーが再び声に出して「さーん、しーい」と始めるので笑いが大きくなります。数、戻ってるし!逆「時そば」か!とひそかに突っ込みました。千穐楽には、ここは「いーち」まで戻ってましたよ。アーティー、原価計算大丈夫でしょうか。 この続きでスティーブンの5ショットも声に出して数えるのですが、今度はロニーが自殺未遂を3回やった、と自慢するのを聞いて「ええ?」っと顔を上げた瞬間にまた数がわからなくなり…*からリピート。)
テキーラを煽ると、自分の自殺未遂を面白おかしく語って聞かせるロニー。それを苦々しく見ているヴィニー。(彼はロニーが自殺しないよう気にかけていて、誘い出して一緒にいることも多いらしい。)
しかしスティーブンは自分にもそんな勇気があればよかった、と言ってまた泣く。この反応にちょっと我に返ったロニーは「奴はなんで泣いてるんだ?」とヴィニーに聞き、スティーブンが泣いている理由がシャーリーをまだ愛しているからだと知ると、突然「彼の気持ちが自分にはよくわかる!」と共感する。そしてしばらくの間スティーブンと二人だけで話をさせてくれと言ってヴィニーを追い出す。
不審に思いながらも席をはずすヴィニー。
ロニーは、スティーブンがシャーリーのことで感じている「自分が心から愛している人が自分を愛していないという絶望感」こそ、まさに自分の自殺未遂の理由だと言い、「俺はヴィニーを愛しているんだ!」衝撃の告白をする。(新聞を読んでいたアーティーもここには思わず反応しました。 穴から顔を出した小動物のようなびっくり顔を見せたので、かなり笑いが起きました。)
そして一緒にここで自殺し、戻ってくるヴィニーとシャーリーに自分たちの死体を見せつけてやろうと持ちかける。
すでにテキーラの無茶飲みで酔っぱらっている二人には正常な判断力は残っていない。 頭にビニールを被るとダッシュしたり飛び跳ねたり。(ここらへんのメニューは日替わり)場内爆笑。当然苦しくなって倒れたところにヴィニーがシャーリーを連れて戻ってくる。
なぜこんなことを!と激怒するヴィニー。
ついにロニーは「お前を愛しているからだ」と告白する。 子供のころからずっと愛していたが、そんなことを言って困らせて嫌われるぐらいなら死んだ方がマシだと思った、と。(ここで便乗してスティーブンが「シャーリー、愛してるよ」と告白しますが、「なに?ロニーはホモだったの?」と事の成り行きに驚いているシャーリーは全く聞いていません。…「ホモ」という単語になかなか時代を感じました。)
驚くヴィニーだったが、店を出て行こうとするロニーに「俺も愛している!」と叫ぶ。お互い、相手にどう思われるか怖くて口に出せなかった想いが通じたヴィニーとロニー。(ここでもシャーリーは「なんか、ホモなのに堂々としてるわ」とか言ってます。 アーティーは淡々とカウンターのお片付けです。)
最初はシャーリーとの再会に動揺したスティーブンも、改めて「愛している」とシャーリーに告げる。 シャーリーの驚きはヴィニーとは明らかに種類の違うもので、「あなた、もうずっと百年ぐらい私のことを愛してるんじゃないの?」とほほ笑み、「私はあなたのことを愛したことはないわ」ときっぱり。
しかしそれは自分を愛し続けていたスティーブンへの拒絶を感じさせる言葉ではなく、17歳の別れの後、今日までしっかり前を向いて歩んできた彼女の力強い明るさに満ちていた。(←あくまでも勝手な解釈です-2)
スティーブンもそんなシャーリーに、気持ちの区切りがついたような笑顔を見せる。
「昔の仲間が揃ったわね」と改めて「再会」に話を戻すシャーリーと、それぞれ照れ臭そうな男3人に、我関せずを装っていたバーテンのアーティーが初めてカウンターから出て来ると、にやりと笑いながらビールを4本彼らに手渡す。そしてビールを飲みながら4人が談笑する横で、アーティーは若かりし日の恋を思い出しているような顔で彼らを優しい目で見つめながら歌う。(このおじいちゃんくさいアーティーの風貌と、美声のギャップがっ! レポートをすぐ書かなかったので、この時の畠中さんの歌の歌詞がまったく記憶から抜けてしまいました。←メモとろう! 若者たちを見つめ、懐かしい痛みを感じているような優しい眼差しが本当に素敵でした~。)
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←年寄りっぽいアーティーの風貌はこんな感じです。
(子供の落書きか!)