2016年11月26日(土)
15:00/18:00
会場:山王オーディアム
MHKらいぶ
「いちばん大切なもの」
昼の部・夜の部を拝見しましたので
簡単にご報告します!
住宅街の中にある「山王オーディアム」は、お金持ちのお家のお庭に建てられた音楽堂のような感じです。その素敵な会場の門に貼られたMHKらいぶのチラシがミスマッチでかわいい…。
会場内は天井が高く窓から差し込む光と外の緑が美しいです。
MHKらいぶ MUZIKAL「いちばん大切なもの」
<あらすじっぽいもの>
ピアニストのかずや(畠中さん)は、かつては優しい夫だったが、今は仕事がなくなりプライドという防壁だけが高くなっている。
「俺のようにスペシャルなピアニストはなんでも仕事を受ければいいというものではない。大きな仕事が来るのを待てばいいんだ」などと言って妻のよしみ(浦壁さん)のパート収入を飲み代に充て、ぶらぶらしている。
ただし息子のりく(俊吾くん)には優しく、りくも父親を慕っている。
よしみが言いにくそうに、せめてアルバイトをして少しでも生活費を稼いで欲しいと頼むと「俺はピアニストだ!デスクワークなんかできるか!そんなことは死んでもやらない!」と怒鳴り散らし(なんというダメ夫!) 不機嫌に家を飛び出した。
~かずやの後ろ姿を見送りながら、優しかったかずやのことを思い出すよしみのソロ~
(宮川さんのブログにもセットリストないので題名わかりません)
かずやが街を歩いていると、突然一人の男(宮川さん)が声をかける。
「あなた、死にますよ」
男は預言者アラーダムスと名乗った。(集合写真参照。かなり胡散臭い…)
無視して通り過ぎようとしたが、妻子の名を当てられ、5秒後の雷や13秒後に母から電話がかかってくることを当てられ(なんですか、この設定!)、男の力が本物だと信じる。(母からの電話に出たカズヤ、いきなり山形弁!さすがネイティブ)
では自分の死の予言も…とショックを受けるが、「運命は変えられる」という言葉に飛びつく。 運命を変えるためには試練を乗り越えなければならないらしい。
かずやに与えられた試練はなんと「左手の指を全部落とすこと」だった。
指を失くしたらピアニストとしておしまいだし、りくの歌の伴奏もしてやれない。 しかし死ぬよりは…と一度はナイフを握るがやはり出来ない。包帯ぐるぐる巻きにして「指は落とした」と嘘をつくが、当然ながらアラーダムスはお見通し。
そして、死ぬ運命を変えるための試練は他にもあるが…それはかずやには絶対に、死んでもできないことだから無理だ、と言った。
しかしアラーダムスは、もしかしたら他の選択肢もあるかも知れないので、自分と同じ能力を持つ別の預言者を紹介しようと提案する。(胡散臭い割には親切)
かずやはアラーダムスの長年の友人だという「クロベダムス」(駒田さん)を訪ねる。(クロベダムスのいるところは、昼の部は北千住と指示されてましたが、夜の部はなぜか三軒茶屋キャロットタワーでした)
相変わらず不機嫌丸出しで態度の悪いかずやだが、クロベダムス(集合写真参照。胡散臭い上にガラが悪い)が指示した試練「妻子と別れること」には動揺する。
~子供が生まれ父となった日、2人を幸せにすると誓ったことを思い出す かずやのソロ~
(クロベダムスに「俺を無視して気持ち良く歌いやがって!」と怒られる)
しかし別れてもりくの父親であることは変わらないし、会うこともできる…と思ったが、クロベダムスの条件は明日の昼までにきっぱり別れてその後二度と会うこともできない、というものだった。
さらに「スペシャルなピアニストなんだろ?だったら成功して稼いで陰から援助して見守ることもできるんじゃないのか?」と嫌味ったらしい。
たしかに死んだら何もできない…かずやは悩みながらも妻子と別れるつもりで自宅に戻る。
いつも通り優しく迎えてくれるよしみ。
そしてりくは「僕、歌を作ったからパパにピアノ弾いて欲しい」とねだる。
かずやの伴奏でりくは自分で作った「みんななかよし」という歌を歌う。(昼の部ではここで俊吾君がなぜか泣き出してしまうハプニングが!もしかしたらセリフや歌がプレッシャーだったのでしょうか??しかし!そのおかげで俊吾君を励ましながら浦壁さんと畠中さんも一緒に小さな声で歌う、というなんとも微笑ましいシーンとなりました。そして泣きながらでも俊吾君はちゃんと最後まで歌い切りました!)
~りくのソロ「ありがとうの歌」~
「お友達も家族もみんななかよしありがとう!」という可愛い歌にかずやは胸を突かれる。
僕もパパみたいなすごいピアニストになってママをお嫁さんにするんだ!というりく。そんな2人を見て、かずやはある決心をする。
翌日アラーダムスのもとに現れたかずやからは今までの偉そうな態度が全く影を潜め、クロベダムスから家族と別れるように言われたがそれはどうしてもできないと告げる。
2人と別れることは死ぬよりも辛い。そして2人を残して死ぬことは絶対にできない。それがわかった今、アラーダムスが言っていた「死んでもできない試練」をやってみせる、やらせてくれ、と頼むのだった。
それを聞いてアラーダムスが伝えた試練とは…
「働きなさい」だった。
なんでもいいから仕事を見つけて家族のために働け、と言った。
「え?そんなこと?」と拍子抜けするかずやだが、そこに、かずやが以前よしみに投げつけたセリフが流れる。
「俺にデスクワークをやれって言うのか!一日中パソコンと向かい合う?そんなことは死んでもごめんだ!死んでもやらないからな!」
自分はいったい何にこだわっていたのか…自分にとって本当に大切なものがわかったかずやは、「明日までに仕事を見つけて報告にきます!」といって走り去る。
かずやの後ろ姿を見送るアラーダムスのところにクロベダムスが現れる。二人は幼馴染だったが、ケンカして100年ぶりの再会らしい。(なんですか、この設定?!)
2人の会話から、かずやが助かるために必要だったのは最初から「働くこと」という選択肢しかなかったことがわかる。しかしただ死にたくないからと働き出したとしても、それではすぐに挫折することが目に見えていたアラーダムスが、わざと指を切り落とすという無理を吹っかけ、クロベダムスには家族と別れるようにと言わせ、かずや自身が自分の大切なものに気付くきっかけを与えたのだった。(なぜアラーダムスがかずやにそんなに親切なのか、という謎は明かされませんでしたが。)
~ここでアラーダムスとクロベダムスの謎のデュエット~
かずやのことをきっかけに仲直りもできた二人は、また一緒に世界を旅しよう!と去っていく。(次はどこに行く?ベトナム!バンコク、そしてニューヨーク!ミスサイゴーン!と騒ぎながら…)
翌日、かずやは仕事を見つけたことをアラーダムスに報告するため、約束の場所にやって来た。しかしそこにはアラーダムスの姿はなかった。
「アラーダムスさん!仕事を見つけました!どこにいるんですか?」と探すかずやの前に、よしみとりくが現れる。
「変な男の人にここに来たら嬉しいことがあるからと言われたんだけど…」
かずやは今までの意味のないプライドを捨て、家族のために働くと宣言する。
ずっとみんなで仲良く暮らそう!とかずやはよしみとりくを抱きしめた。
~しあわせの歌を全員で合唱~ (おしまい)
チケットの裏には「ちょっとMHKらしくなく真面目すぎたかな?」と書いてあるのですが…真面目部分担当の親子3人と、真面目にやればやるほどおかしい預言者2人組…決してまじめ過ぎたということはないと思います。(笑)
誤解を恐れずに言うなら、宮川さんのアラーダムスは胡散臭いキリスト風、駒田さんのクロベダムスはガラの悪いブッダ風、でした…(ビジュアルが)
この後、浦壁さんと俊吾君はいったん退場。
3人の歌とMCのコーナーになります。
2回目のMHKライブ(2012年)もこの会場で行ったことなどに触れ、その時のオリジナル曲 「行住坐臥」を歌ってくださいました。
畠中さんのパートは普段よりハイトーンで新鮮です! (あれ?そう言えば「行住坐臥」CD化のお話しはどうなったんでしょう?)
ここで宮川さんから「行住坐臥の行とは?」と畠中さんに振られ、「歩くこと」「住むこと」「座ること」までは答えられたので すが、臥…で答えられず「調べとけよ!」と怒られていました。 (夜の部ではちゃんと調べてきた畠中さんに、どうせまた「調べとけよ!」と言うことになると思っていた宮川さんが拍子け。)
この2回目のライブの時もお芝居仕立てだったのですが「スカラ座の俳人」のオーディションに勘違いしてやってくる3人、という設定でした。
宮川さんが「すっからかんの外人」と勘違いして付け鼻をして登場、駒田さんが「ヅカ的なハイジ」と勘違いしてほっぺに赤丸を付けて登場、というお話しから、じゃあ畠中さんはなんだったっけ?と話を振られ、 「思い出せない…学生服を着ていたのは憶えてるんだけど」
またも宮川さんに「思い出しとけよ!」と怒られる畠中さん。(私の記録によれば、畠中さんは「オペラ座の怪人」のオー ディションと勘違いしてやって来た俳優志望の学生、という設定でした。)
次の歌は、初めてのMHKライブのオリジナル曲で、CDにもなっている 「BELIEVE」
歌詞もメロディも三人三様。つられないように歌うのが大変なんだそうです。
2016年ももうすぐ終わるけど、今年残念だったことは?という駒田さんからの質問に、宮川さん「舞台が少なかったこと。」
正確には、舞台の数は多かったけど公演日数が短いので稽古期間ばかり長かった、と。(これは費用対効果という点では困る、という大人の事情もあるようで…)
やっぱり舞台に沢山立ちたい、とおっしゃっていました。
畠中さんは、しばらく考えてから、「Violet」でゲネプロ入れて1日3公演×5日間の時に15公演目でポーカーを教えるシ ーンの歌詞が吹っ飛んでしまったことを反省していました。
あんなに完全に吹っ飛んだ経験はなかったので…という畠中 さんに「え?そんなのついさっき俺たちあったよなー」とちょっと自慢気な駒田さんと宮川さん。
駒田さんは「俺は反省することなんか何もないっ!」と言い切るので、宮川さんが「つい先日まで帝劇のゼロ番に立っていたのと比べてこういうところでやるのはどうなの?」と質問しました。(「ミス・サイゴン」のエンジニア役。帝劇千穐楽を終えたばかり。)
駒田さん「それはそれ、これはこれでまた全然違って楽しい。」とのことでしたが、仕込みの時に脚立に登って照明を取りつけながら「おれ、帝劇ゼロ番だったのになあ」ってちょっと思ったそうです。でも仕込み作業などは大好きで、「劇団育ちだから何でもできる」と自慢もしてました!
最後にまた全員登場して、告知、感想など。
浦壁さんはMHKに出演できるのが嬉しすぎて、1回目のリハーサ ルの時は緊張でお腹を壊した、とおっしゃっていました。浦壁さんの温かく美しい歌声、本当に聴いていてうっとりでした!
俊吾君は、セリフも歌も夜の部は完璧!でした。若干5歳なのにきっちり立て直すとは…素晴らしいです。
それ以外にも色々面白いお話があったはずなのですが、すでに記憶が…(すみません)
初めてのMHKから6年、全員50代になってしまったけれども、これからも年に1回はライブをやりたい!とおっしゃっていましたので、来年も楽しみに待ちたいと思います。
終演後に私達をお見送りしてくださった畠中さんです! お疲れ様でした~。
おまけ: 建物入り口横のスペースにはこんなものまで!