ライブ「MHK1982」7月8日の千穐楽も大盛り上がりのうちに終了しました!
この日はお天気も良く、山王オーディアムは緑したたる素敵なたたずまい。
簡単ですが、3ステージ分のご報告をさせていただきます。
木漏れ日の差し込む美しい室内。 天井は高く、ちょっと見えにくいですが、レトロなシーリングファンが回っています。
第一部はミュージカル仕立てのコントと、劇中劇「夕鶴」
おおまかな流れはこんな感じでした。(文中の敬称略)
<スカラ座の俳人オーディション会場>
ツカツカと登場した審査員(麦谷八重さん)が、まずかなり高飛車な態度で(オーディションに集まった人間に見立てた)観客に、携帯電話等の電源オフ、録音・撮影の禁止を告げる。
また、舞台が低く客席もフラットなことから、少しでも座高を低くして後ろの人の迷惑にならないよう配慮をせよ、と命令。(前のめりにならないよう注意する劇場は多くても、「姿勢よく座るな」という注意は初めてでインパクト大!観客も笑っちゃって、つかみOK!って感じです。)
3人のビジュアルについては畠中さんのフォトメッセージ参照!
学ラン姿で現れた畠中洋16歳は、老けた風貌とそのシワの多さから松尾芭蕉役にぴったりと褒められる。
ところが歌の課題で「オペラ座の怪人」を歌い出したところ審査員からストップがかかり、「スカラ座の俳人」は3人の俳人がミラノのスカラ座の観客の前で俳句を詠む話で、つまり「歌う」とは歌を詠むことだ、と叱られる。
すみません!と謝りながら(←Mキャラ)「古池や 蛙飛び込む…」と芭蕉の俳句を普通に読み上げようとすると、今度は「ミュージカルのオーディションなんだから当然メロディに載せて歌いなさい!」とまたダメ出し。
畠中はロックテイストな80年代のアイドルっぽいメロディで俳句を歌い切り、別室で待つように言われる。
次に現れた宮川浩18歳は、無駄にマッチョを強調するような青いスーパーマンのTシャツにカットオフジーンズ姿。(「ワンダフルタウン」のレック?)
なぜか付け鼻をして外人の物まねをしつつ、お財布を掏られて「スッカラカンの外人」(←スカラ座の俳人)とボケをかます。
小林一茶の「雀の子 そこのけ そこのけ…」の結びを「アソコノケ」と朗々と歌い上げてこれまた審査員に怒られたりしつつ、別室で待つように言われる。
駒田一18歳は、赤いベストにピンクのスカート、頬にもピンクの丸いシールを貼った「ヅカ的なハイジ」仕様で登場。(何がヅカ的かはヅカファンの私にもわかりませんでしたが…)
ヨーデルを歌い、「趣味は星を見ることですっ!」とハイジになりきっている。
「ハイジじゃねーよ!」とぶち切れた審査員(←完全どSキャラ)に怒鳴られ、あわや審査を打ち切られそうになるが、「これが最後のチャンスなんです!」と泣きつきオーディション続行。
与謝蕪村の俳句「菜の花や 月は東に 日は西に」を歌うが、なぜか「海は広いな大きいな」の♪月は上るし 日は沈む♪のメロディーになってしまい盗作だと非難される。それでも何とか別室へ。
別室で待機を命じられたのはこの3人だけ。募集も3人…この3人は合格か?という希望を持ちながら、初対面の挨拶を交わす畠中、宮川、駒田。
16歳の畠中は二人の2年後輩だからとパシリにされたりするものの、畠中と駒田の芝居好きの原点がどちらも小学校の時に学芸会で演じた「夕鶴」だとわかって盛り上がる。
ところが芝居好きの畠中、駒田に比べて宮川は完全に冷めている。
「オーディションに受かって役者になることは自分だけではなく家族の夢でもある」(※1)という駒田の話には「重すぎる。もっと気楽にやればいいだろう」と小馬鹿にした態度。
これには年下の畠中も怒り爆発!(でも不発) しかし宮川は演劇をナナメに見る態度をやめようとしない。
茶道部の経験もある畠中が、自分が大好きな言葉として茶人・利休の「行住坐臥」…「当たり前のこと、普通のことが本当はとても大切で、そして難しい」(※2)という話を披露しても、自分への説教のつもりかとひねくれたり…とてもこの3人が仲良くやっていくのは無理そうな気配。
このまま決裂かという空気が流れる中、バンドをやっているという宮川が1曲の歌を歌ったことから事態が変わっていく。(※3)
まず駒田がメロディを重ねハモる。 そしてついには3人の美しいハーモニーが響き合い、心を合わせることの大切さに気付く。 芝居も同じように、3人が力を合わせれば素晴らしいものになるはずだ、と。
せっかくだからこの審査の待ち時間に即興で「夕鶴」をやってみないかと駒田が持ちかけ、審査員も巻き込んでガチンコ、おおマジの「夕鶴もどき」(大人の事情で”夕鶴”というタイトルは使用不可)が始まった…!
<劇中劇「夕鶴もどき」>
「大人の事情」で登場人物の名前も変更していました。
畠中洋/与ひょう⇒佐吉(さきち)
麦谷八重/つう⇒千鶴(ちづ)
駒田一/運ず⇒どうせ名前を呼ぶシーンはないからと、毎回適当な外人の名前でした。最後は「アンジョルラス」
宮川浩/惣ど⇒同上。最後は「マリウス」
佐吉は山形弁、千鶴は標準語というのがちょっと面白かったですが(佐吉が千鶴を呼ぶときの発音は「つづ」)、この二人は完全シリアスな「夕鶴」を演じます。
佐吉の元を去る時の千鶴の涙も、千鶴を失った佐吉の慟哭も本物でした。
千鶴にもっと布を織らせろ、そうすれば大金が手に入るぞと佐吉をそそのかす運ずと惣どは、完全悪代官仕立ての演技で歌い踊ります。(※4)
何もそこまで憎々しい顔をしなくても、というぐらいこれまた真剣に悪役に徹するお二人のノリがすごくて爆笑でした。
お金を欲しがるようになった佐吉の変化を悲しみながらも(※5)、千鶴は佐吉のために機屋にこもります。 ところが約束を破って千鶴の本当の姿を見てしまった佐吉。もう一緒には暮らせない、と千鶴は鶴に戻って飛び去って行きます。
千鶴と一緒に暮らす日々の幸せ永遠に失ってしまったことを理解した佐吉が後悔とともに戻ってきてくれと千鶴の名を叫びます。(※6)
と、まあ本当に真面目に「夕鶴」なんです。畠中さんの山形弁、さすがネイティブ!
↓当日のパンフレットの一部です
<劇中の歌>
(※1)「プレゼント」
歌:駒田一/作詞・作曲 宮川浩
(※2)「行住坐臥」(3人ver.もあり)
歌:畠中洋/作詞・作曲 宮川浩
(※3)「僕たちに今できること」
歌:MHK/作詞 松下展子・作曲 福井小百合
<劇中劇「夕鶴もどき」の歌>
(※4)「金持ちになる」
歌:宮川浩・駒田一/作詞・作曲 宮川浩
(※5)「私の佐吉」
歌:麦谷八重/作詞・作曲 宮川浩
(※6)「おらの千鶴」
歌:畠中洋/作詞・作曲 宮川浩
第二部 アフタートークショー&お楽しみ抽選会
全体の進行は駒田さんでにぎやかに始まります。
3人の衣装は、上は甚平(「作務衣」と言った方がかっこいいですが、作務衣には見えなかったので)、下は一部のときと同じです。
畠中さんは学生服のズボンをロールアップしているのかジャージに履き替えていたのかちょっと不明ですが…。あ、駒田さんはスカートではなく、スカートの下にはいていたハーフパンツです。
足元は宮川さんだけゴム草履で、畠中さんと駒田さんは素足でした。
そうですね、夏のある日、お家に遊びに行ったらこんな感じでお玄関に現れるかも。(笑)
畠中さんは佐吉の時に後ろをチョンマゲみたいに結んでましたが、それもそのまま。首には手拭いを巻いていました! (最後のお写真参照)
お楽しみ抽選会の景品は、BICYCLE社のカード(駒田さんご実家の特注品・非売品)にMHKのサイン入り。
これです!↓(当たった方に画像いただきました)
最終日は劇中の小道具もすべて大放出!
畠中さんが使った小さなボール、宮川さんの付け鼻
(これは「欲しい人いますか?」という呼びかけに
サッと手を上げた方が不戦勝でゲットしました。)
とUCCコーヒー、駒田さんの頬に貼られていたピンク
のシール(未使用分)とショートホープ。
こちらも画像いただきました!⇒
宮川さんお手製の紙粘土で作った付け鼻(サイン入り)
と、劇中で使われたUCCコーヒーです。
その後、アンケートで集められた質問を麦谷さんが
読み上げ、3人が答えながらのぶっちゃけトークです。
これがネットへの展開厳禁と口止めされるネタも意外と
ありまして…つまりその分爆笑に次ぐ爆笑だったとお察し
ください。
と言いつつ、実は大笑いしすぎて書いても大丈夫そうなネタがすでに記憶から抜けてしまっているんですけど…思い出せたものをいくつかご紹介します。
質問は毎回違ったので、3回分のどこかでお話しされたものです。
内容はあくまでも「ニュアンス」で、正確な言葉ではありません。その点はご了承ください。
Q: 役者にならなかったら、何の職業についていたと思うか?
宮川さん…大学を卒業してから長崎に帰ったと思うので、町の7割の人が職業にしている焼き物関係の仕事をしていたのでは?
畠中さん…実家のカニ料理屋を継いだと思う。(今はもうなくなっているそうです。実際ちょっとだけ修行もしたとか。)
駒田さん…名古屋に帰って飲み屋のマスター。(でも一緒に飲んじゃうし、飲んじゃったら何もわからなくなるから商売にならないとのこと。「すぐお客と喧嘩するよね」という宮川さんのヤジもあり。)
Q: 役者じゃなかったら、何になりたかったか?
宮川さん…野球選手!
畠中さん…三浦雄一郎さんのようにスキーでエベレストなどを直滑降で滑り降りてくるような冒険家。
駒田さん…中日ドラゴンズの野球選手!
Q: オフの日は何をしているか
宮川さん…料理が好きなので一日かけて料理したり、家族の食事を作ったりする。
畠中さん… 一日中家から出ないでずーっと映画を見ている。
駒田さん… 家から出ないでぼーっと映画を見ている。
(完全にかぶったお二人。つまり皆さんインドア派 らしいです。)
Q: 2人のどこが好きですか?
宮川さん⇒駒田さん とにかく頼りになる。困ったときはなんでもハジメに聞こう!と思える。
宮川さん⇒畠中さん (腕を指さし)ここ! 歌でも芝居でも、絶対にきちんと仕上げる実力を信じられるところ。
畠中さん⇒駒田さん 頼りになる。100%自分を預けられる人。(ここで駒田さん、畠中さんをハグ)
畠中さん⇒宮川さん 口は悪いけど(笑)、本当に熱くて優しくてピュアな人。
とにかく、畠中さんはこのお二人には絶対の信頼感を持っていて、一緒にやっている時は自由に泳がせてもらっている感じですごくやりやすい、と大絶賛でした。
駒田さん⇒宮川さん こうやって脚本を書いたり作曲したり、音楽性や才能に惚れている。
駒田さん⇒畠中さん 一緒にやっていてすごく楽しい。
(この3人で一緒にいると、必ず飲みに行くことになるそうです。お稽古の後、「どう?行く?」という確認すらなく、ふつーにそのまま飲み屋に直行している、とのことでした。)
この質問には3人ともものすごく困って、本当に照れまくって言いにくそうでしたねえ。
このトークの時は、左から宮川さん、畠中さん、駒田さんが並んで立っているのですが、宮川さんと駒田さんよりも、ついつい一歩下がってしまう畠中さん。
気が付くといつも陣形が逆V字型になっています。
その都度宮川さんや駒田さんに「前に出ろよ。ただでさえ小さいんだから…お客さんから見えなくなる!」などと押し出される畠中さんがかわいらしかったです!
千穐楽の日は、一歩下がりかけては自分で気づいてまた前に戻っていましたが、何しろ駒田さんが手をぶんぶん振り回しながら司会進行をしているので、その邪魔にならないようにしているとまた下がっちゃうんですよね。
それでも畠中さん、前日の忠告を生かして頑張ってました!(笑)
このお二人に挟まれていると、完全に素に戻ってニャハニャハ笑って「後輩キャラ」の位置にすっぽり収まってます。
これがさっきまで佐吉として迫真の演技をしていて人なのか(あの憎々しく前に出てくるストライドなのか…)と思うと、いつものことながらこのギャップがたまりません。
最後にCDも販売している「BELIEVE」の素晴らしいハーモニーを堪能させていただき、「俺たちの未来」で締めとなりました。(どちらも宮川さんの作詞・作曲)
アンコールは「僕たちに今できること」のサビのコーラスをもう一度。
この歌は、震災の復興に何か役に立てないかと作られた曲を、今回MHKで歌っているのだそうです。(畠中さんが普段はあまり聴いたことがないような低音のパートだったのも納得です。)
「僕たちが歌うことであなたの気持ちが少しでも変わるならこのメロディを届けたい」というメッセージの歌です。
本当に素敵な曲だったので、是非「行住坐臥」と一緒にCD化していただきたい!と切望してます!!
こちらはお見送りに出て下さった畠中さんのお写真です。
サイトに掲載するために撮影させていただきました。
畠中さん、宮川さん、駒田さん!
本当に素敵な時間をありがとうございました!
次回のMHKの実現を待っています!!
オマケ
←こちらは会場入り口に咲いていたハスです。
※内容に誤りや勘違いがありましたらお知らせいただけると助かります。